第4章 望まない休日
コンコン
あと少しで防寒具を脱ぎ終える
という所で誰かがドアをノックした。
思わず身を固くすると、
「レナさん、大丈夫~?
入ってもいい?」
「リタちゃん、うん、大丈夫」
いつだって明るい声音のリタに
肩の力が抜けていく。
ドアを肩で開けるリタの手には
桃色のゼリーの皿があった。
「グレッグルに触ったって聞いたけど
そのままじゃ不便だと思って!
みてみて、モモンゼリー作ってみたの」
モモンには解毒作用があり、
身は水分が多くとても甘い。
傷みやすいので私は持ってなかったが
これは単純にありがたかった。
「ありがとう、助かる!
今もこれが脱げなくって……」
ズボンや登山靴はまだしも、
上着にはかなり苦戦を強いられていた。