第4章 望まない休日
「ッ、なんだっていいじゃないですか!
素性も調べない誰でもいい調査員でしょ、
代わりなんていくらでもいる!」
「そうだね、代わりになれる人間はいる。
でも僕は代えられる側の話をしてるんだ!
……君は僕と似てると思ってる、
これでも仲良くしたいと思っているし
仲間として大事にしたいと感じてるんだよ」
思ってもいない事を口先だけで言われて
まるで子供のように宥められるのは
我慢ならなかった。
相手を責めた所で分が悪いのは私だし
博士の方が口だって上手いだろう。
膝先を睨んで黙っていれば、
また大きなため息が聞こえた。
「今日は送っていかない。
具合が良くなるまで調査は他の子と
僕がやりますから休んでください」
こんな時ばかり、職権乱用だ。
ずるい、と感じるが言い返しはしない。
どうせ丸め込まれるだけだ、
結果を変えられやしない。
リュックを持ち上げようとしても
指先に力がうまく入らない。
無理やり腕をすべらせ肩にかける。
レナは重たい足取りで
逃げるように研究所から出ていった。