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ゲンガー夢

第4章 望まない休日


「……なんで体調が悪いのに
黙ってこんな仕度をしてたのかな」

どさ、と登山用リュックが音をたて
中から木の実がいくつか転がる。
今日も特に指示がないのなら
ハナレ洞窟に行くつもりだったのだ。

「普段よりも重たい慣れない装備、
万全ではない体調、油断した態度、
どれも自然界では命取りになるんだよ」

……なるほど。チラリとカガミ博士を
伺い見ればしぶい顔をしている。
"どれ" に怒っているかは分からないが、
博士が"何"に対して怒っているかは
なんとなく察せられてきた。
視線をそらせば大きなため息が聞こえる。

……なんなんだ、この人は。
別に危険など承知の上だったし、
ポケモンの毒は時間経過で抜けていく
死には至らないものばかりだ。
それに普段は人間にもポケモンにも全く
興味がなくて自分の事しかしてないのに。

「博士に関係ないでしょう、
私が自分の判断で支障がないと思った。
現に昨日だって帰って来られてます」

「帰って来られなくなるのは一度だけだ。
そりゃここに君が居る限り、
帰って来られている事になるよね。
それに君は忘れているみたいだけれど、
もしもここにネオワン号がなければ
既に遭難しているんだよ?」
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