第3章 お近づきになりたい
グレッグルはそれに気がつくと
そっと私の手からポロックをとった。
人工物のためか一目で食べ物と
分からないのだろうか?
目の前で食べて見せると真似るように
グレッグルもポロックを口に運ぶ。
ケロケロ!と大きく一つ鳴くと
嬉しそうに小躍りしだした。
ポロックは木の実をすりつぶしてブレンドし
粉を圧縮して作る。香ばしくもあり、
スパイス代わりにも重宝する。
本当はカレーの隠し味に持ってきたのだけど
喜んでくれたならコレで良かったのだろう。
「気に入ったみたいで良かった」
しかし私はここにキャンプを張っていたのに
そんなに沢山の果物を運ぶポケモンには
気がつかなかった。
移動している時に来たのだろうか……?
などと考えていると喜んでいる
グレッグルの背後に黒い影の渦が現れる。
あれはゲンガーがゴーストダイブを使って
空間を移動している穴に違いない!
あわてて私はカメラを構える。