第19章 利害と信頼/ユナイト編4
「ううん、私ごはんは……」
「ニャア"!ニ"ャニャン!!!」
腕にひっつきジタジタとする
ゼラオラに思わず笑ってしまう。
根負けしてメニュー表を受けとると
ゼラオラは満足げに喉を鳴らした。
コーヒージェラートを注文し、
何を話してるかも分からないまま
ゼラオラが鳴くのを眺めて相槌をうつ。
ふと鳴き止んだかと思えば、
その目は試合を放送する画面に
釘付けだった。
「ごめんね、試合。
ハイパー帯まで行けなかった」
「……、ナァン!」
ゼラオラは少し寂しげに、
でもやはりいつものように
明るい声で一つ鳴いた。
ガシガシと食事をかきこむと
力こぶを作りドヤ顔をしてくる。
「ふふ、強くなるんだもんね」
「ニャン!」