第19章 利害と信頼/ユナイト編4
ゼラオラと別れると影から
ゲンガーがぬっと顔を出した。
「ゲンガー、そこに居たの」
「ゲン」
今朝から見かけてなかったが、
ずっと影に居たのか、
今戻ってきた所なのか。
会話が出来ないとそれすら分からない。
「私、なんだかね……
全部から切り離されたような気持ち」
「ゲガッ!?ゲンゲン」
ゲンガーがひし、と抱き締めてくれる。
一人じゃないのに、なんでだろう。
別にリン博士やゼラオラだって
仲良くなったという訳じゃない。
あの人たちはきっと誰にだって……
「誰でも……私じゃなくても」
「ゲンゲ……ゲンガ?」
「……ううん!ごめんねゲンガー。
大丈夫、なんでもないよ」