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ゲンガー夢

第13章 表裏一体(下)


「……はぁぁ、痛ってえ!?」

目覚めに深いため息をついた。
腹に乗せようとした手が予想よりも
ぐわんと大きく翻って顔にぶち当たる。
出た罵倒はニンゲンの音だった。

「レナ!ど、どうだい気分は……?」

「はあ?カガミ……なんだ?
どうなってやがる……?」

「もし、もしかして、ゲンガーかい?」

いや、これは。持ち上げた手が肌色だ。
身を起こすとそこに伸びる無駄に細い足。
動かすと違和感がすごい、やたら重たい。
レナは?百面相をするカガミをみる。

「そ、そうかぁ~!君が主人格になるのは
僕としては予想外だったな……!!」

「レナ……?まさかお前……!」

「ああ!待って!!よーく考えてみて。
レナくんがどうしたか君は知ってる。
だって君は……」

……俺がレナだって言うのか?
しげしげと体を見回すが、
上手くバランスがとれずに転げる。
ばさり、とシーツに広がったのは
確かにレナと同じ色をした髪だ。
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