第13章 表裏一体(下)
『……聞きたいこと、
たくさんあったんじゃないのか?』
『聞くより先に教えてくれるから』
『ずっと言いたかったから』
訊ねずとも言わずとも分かる。
どれもこれも簡単で何の疑問もなく
そうだったんだなぁ、と思う。
『あっ!そうだ、ゲンガー
聞きたいこと、ひとつあったよ』
思いついた考えは俺にも浮かんでるが、
それはあまりにキテレツな話で
俺は理解が出来ずに言葉につまる。
『ゲンガーは、
私になったら何がしてみたい?』
まるでそれが合図か何かのように
ブツリ、と意識が途切れる。いや違う。
今から意識が覚醒するのだ。
やっぱりこれは夢だったんだ、
だからレナは起きれば俺と話した事も
自分が何を思ったのかも忘れちまう。
また俺はひとりぼっちになるんだ。