第13章 表裏一体(下)
バチンッ!
耳慣れない音がしてゲンガーが
ひき剥がされた姿を目にした直後、
私の視界の分離が始まった。
よかった、これで全部おわる。
「おいで」
手のひらに握りしめていた
モンスターボールを解き放った。
見えないけれどゲンガーが……、
私のゲンガーがここに居るのを感じる。
ゲンガーも、私も分解されていく。
ネオワン号は人間を収めた"ボール"
人間はポケモンと同時に転送されると
融合する事が確認されている。
そう、既に確認されているのだ。
"ポケモンを手に入れたがらないか"
"調査に連れていくと生態が……"
それは全て"事故"が起きない為の方便。
これは賭けではない、確定した必然。
博士もこうなると予想してた筈だ。
それが今、現実になるだけだ。