第4章 呪術高専①
窓越しに雪だるまをつくる一同に向けられた怪しい視線。
その男はスマホのカメラのシャッター何度も連写しながら、ニヤリと笑った。
「お戻りだったんですか?五条さん」
「さっき戻ったとこ。加茂家も禪院家も相変わらず文句や嫌味ばっかりで、じじいの相手は疲れたよ」
「それはお疲れ様です。…でも、何やってらっしゃるんですか?」
「僕のかわいい生徒たちが雪だるまつくってるんだよ?癒されるね〜。あとで七海に送ろうと」
それは盗撮では?と思ったが、伊知地は身の安全を考えて口には出さなかった。
確かに普段は命懸けで呪霊を祓っている中高生が和気あいあいと雪だるまをつくる姿を見ているとなんとも言えずほっとする。後日七海経由で写真を送ってもらおうと伊知地は密かに思った。
「そうそう、女子寮の部屋、ひとつ確保しといてもらえるかな?いつまでも医務室じゃ可哀想だしね」
「蓮見さん用ですか?高専に残ってもらうおつもりで?」
「んー、それは鈴次第かな」