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君のガラス玉越しに【呪術廻戦】

第4章 呪術高専①



 翌日、伏黒は不機嫌だった。
 二度寝をしていたのに、真希に叩き起こされたからである。

「恵、いつまで寝てんだ?朝マック行くぜ」
「…勝手に行ってくださいよ」

「じゃ鈴と二人で行って来るわ」
「………」

 伏黒は5分で支度をして部屋を出た。寮は人が少なく、静まり返ったままだ。
 早く先輩たちが帰ってきてくれないかと思う。今日も自主トレに付き合わされるのだろうと心底うんざりした。
 ここ数日、自分のペースを乱され過ぎだ。


「てか、なんで蓮見と仲良くなってるんですか?先輩、ああいうタイプ好きじゃないでしょ」
 鈴は真希とは真逆のタイプだと思う。かいわれ大根というあだ名からも快く思っていないのが透けて見えたのに。

「別に嫌いだったわけじゃねぇよ?あいつの顔面白いし」
「そうですか?」

 表情は豊かだと思うけど、どの辺が面白いのだろう。


 鈴は寮の玄関を出た所で待っていた。翡翠色の瞳をキラキラと輝かせて空を見上げている。
 この日の東京は雪のち晴れ。高専も5cmほど雪が積もっている。

「ねぇねぇ、真希さん!雪が降ってる!あとで雪だるま作りましょ!」
「小学生かよ…」

 ダウンコートとニット帽でしっかり防寒した鈴は雪がはらはらと舞う寒さで頬がいちごみたいに染まっていた。


 ふと、目が合うと鈴は照れたように笑った。
「伏黒くん、おはよう」

 かわいいなんて口が裂けても言えない。


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