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君のガラス玉越しに【呪術廻戦】

第4章 呪術高専①



 元日で賑わう神社で三人並んで参拝を済ませた。
 さすがに神社の中には蠅頭はいない。玉犬二匹が道中でいっぱい蠅頭を退治したのをアピールするかのように鈴の前に座って、尻尾をぱたぱた振っている。
 お前ペットじゃないだろと、主である伏黒は呆れていた。


「お前、甘やかし過ぎじゃねぇの?」
「仕方ないですよ。ちょっと前まで見えてなかったんだから」

 鈴の事情を詳しくは知らないのもあるのか、真希は毛虫でも見るかのような視線を向けてきた。
 
「そんなんだから好かれるんだよ」
「なんのことですか?」

 伏黒は何を言っているんだと怪訝そうに眉をひそめた。

「お前、マジかよ……」

 4月からは後輩になるであろう少年は洞察力が鋭い。育った環境によるものなのか、物事を察する能力が高く、それゆえ面倒な関わりを避けているようでもあった。

 そんな彼が鈴には自分から関わっているようだし、鈴は感情が表に出やすいタイプらしく、伏黒を慕っているのが初めて関わりを持った真希にもわかるぐらいだ。
 
 てっきり伏黒なら彼女の気持ちを知った上で、行動していると思っていたのに。
 真希は玉犬をなでなでする鈴をじーっと見つめた。

「恵、飲み物買ってこい。私はイカ焼き買ってるから」
 

 
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