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君のガラス玉越しに【呪術廻戦】

第4章 呪術高専①


 
 五条の部屋、というのは高専内にいくつかある。仕事場、稽古場、地下室などなどである。

 伏黒はこの時間、一番五条がいる可能性が高そうな仕事場を尋ねた。海外製の高そうなチェアに長い足を組んで彼は座っていた。
 右手に翡翠色のガラス玉がついたメガネを持ち、物珍しそうに眺めている。


「恵、遅いよ〜。僕、カニ鍋の準備しなきゃいけないのに」
 約束したわけでもないのに、この言い草はなんだろう。

「何の用すか?」
「恵って、以外と青春してたんだね。いや、したらいけないわけじゃないよ?ただ僕って保護者みたいなもんじゃん?一言、恋の相談とかしてほしかったなーって」

 恋の相談??
 この大人は何が言いたいんだろう。百歩譲っても保護者だと思ったことはないし、何かを相談したいと思ったこともない。そもそも白髪の怪しい男という第一印象を拭えないまま、ここまできた。

「用がないなら帰ります」
「待って。恵、鈴ちゃんに会った?呪力戻ってなかった?」

(は…?)

「……呪力?」
「鈴ちゃんが持ってたこれさ、持ち主の呪力を無効化させるみたいなんだよね。ま、発動条件はあるよ。たぶん彼女の血筋じゃないとダメみたい。あと、すんごい魔除けの力が強い」

 なぜ玉犬が見えるのか、呪いに関わったからだと勝手に思っていた。
 呪いが視認できるほどの呪力を元々持っていたというのか?


「その話、蓮見にはしたんですか?」
「いや?まだ調べてる途中だし。
あ、7時からカニ鍋するから、恵もちゃんとおいでよ」

(聞きたくなかった…)
 


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