第2章 出会い
通学路を太陽のじりじりした暑さが容赦なく照りつける。
「それにしてもあっついねー」
「あ、じゃあ涼しくなる場所でも寄って帰る?」
そう切り出したのは帆花で、小さなひそひそ声でこう言った。
「八十八橋って、知ってる?」
ああ〜、と絵里奈は嫌そうな声を出した。きょとんとした鈴に説明する。
「ここらでは有名な心霊スポット。自殺の名所なんだけどね。うちのパパも人魂見たとかなんとかって。帆花、私は祟られるの嫌だからやだ」
「えぇ、私も怖いのあんまり好きじゃない…」
「いーじゃん、昼間だし。みんな行ってるし大丈夫だって!」
「絶対、下には降りないからね」
「はいはい。ちょっと見るだけ」
絵里奈が念押しして、こっちこっちと帆花に引っ張られるように八十八橋に向かった。