第8章 不可逆的欠損
明くる日、目覚ましの音に頭痛を促される。
体をゆっくり起こすと、背面全体がキシキシ痛んだ。
嫌な夢を見た気がするが、覚えていない。またあんまり眠れなかった。
最低限の身支度を整えた頃に、外で物音がした。
この時間は朝食が置かれる頃だ。もともと朝はあまり食欲がわかないタイプだが、最近はそれが加速している気がする。
せっかく用意してもらったのに残すのも悪いので、なんとか喉に詰め込む。
男士たちは任務達成に驚くほど意欲的だ。
それが最優先とばかりに私を急かすほどである。
息つく間もなく次から次へとやることがあり、一日が終わる頃にはへとへとになっている。
霊力の貯蔵タンクを、毎日空っぽにされているようなものだ。
そりゃ一晩休めば、タンクにはまた補充される。
だが、満杯になるかと言われればそうではない。
日課の遠征や内番割り当てなどを終え、イベントの詳細を確認する。
タイプとしては戦力拡充のようだ。
中堅応援キャンペーンと銘打っているためか、ところどころ改変がみられる。とは言え慣れたものだ。