第7章 望まれた悪夢
“人が変わってしまった”、か。
言われた言葉を反すうする。
ある意味、俺は変わったのだろう。
変えられていたものが元に戻った。
奪われていた記憶を取り戻した。
自分がどういう人間で、何をしたくて、でもそれが叶わなくてどうなったのか、それを思い出した。
今、その前の自分と全く同じだと言えるだろうか?
「主!」
「大将!」
「主さん!」
“望んで審神者になったのではなかった”。
それを思い出した今ーー
「みんな……」
失っていた間に、そう劣らないくらいのたくさんのものをもらっていたらしい。
普段なら勇ましくも凛々しく戦う彼らの、影も形もなかったからか。
それとも、ここがもう一つの帰るべき場所だと、自分が素直に思えたからか。
「……ただいま」
自然と、頬が緩んでしまった。