• テキストサイズ

【刀剣乱舞】ラプラスの演算子

第3章 特別演練


 何もかもが違う。

 審神者の性別、年齢、人となりは言わずもがな、本丸の規模、鶯丸自身の顕現の経緯。

 審神者に見せてもらった審神者用デバイスでは、鶯丸の練度はまだ一桁。

 初期に顕現された鶯丸は90台のはずだった。

 まさか自分の練度を忘れ、誤るなど。

 細かいことは気にするな、とよく言っているが、さすがにこれを「細かいこと」だと流してはまずいだろう。

「俺は顕現されて一年ほど経っているはずだが」

 だめだ。

 冗談としか受け取ってもらえないだろう。それか、そういう“キャラ付け”かと言われてしまいそうだ。

「あの審神者は俺の主ではないと思うのだが」

 だめだ。

 彼を慕う男士たちに袋叩きにされてしまう。特に長谷部。というかその前に、あの審神者が泣き出してしまいそうだ。

「審神者が変わったのはいつだ?」

 だめだ。

 変わってないし、記憶が混濁してるんじゃない? それとも俺の主に文句あるって意味?

 などと加州に詰め寄られる未来が見えた。
/ 224ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp