第14章 ゲームチェンジャーと玻璃の核
満足げに笑いながら、鶴丸は遠慮もなく部屋に入ってくる。
私の布団のすぐそばに来て、畳の上にぽすんと座った。夜だというのに、まだ戦装束を着ている。私はというと寝間着で、ちょっと恥ずかしい。
カーディガンを羽織って「なにか飲む?」ときくと、鶴丸は「きみと同じものがいいな」と答えた。
ココアにしようかな、と審神者部屋の簡素なキッチンに向かう。親鳥についていく雛の如く、鶴丸がついてきた。興味深そうにキョロキョロと部屋を見回すので、もう少し片付けておけばよかったと後悔する。
だって、しばらくここに来客なんてなかったし、予定もなかったから。
なのに、審神者部屋に鶴丸といる状況は、初めてではない気がした。何度も訪ねてきては、審神者部屋で一緒に時間を過ごしたような気がする。
これもおかしなデジャヴだった。
鶴丸が審神者部屋にいる風景が、あまりに自然すぎて。
その後も鶴丸は、冗談を言ってはなれなれしく肩を小突いていきたり、私のココアを飲みたがったりした。俺ときみのじゃ牛乳の比率が違うだろ、主の方が美味しそうだ、そう言って。
「今度は服を汚したりはしないさ」
なんて笑ったけれど、そんなこと、あったっけ?