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【刀剣乱舞】ラプラスの演算子

第12章 侵入作戦


 鶯丸はいつの間にかページから目を離せなくなっていた。最初は周囲を気にしていたため、あまり注意深く文字を追っていなかったが、書かれていることの異様さに夢中で文字を追ってしまう。

 これは、誰かがこの本丸を観察した、その記録だ。

 5日目まで読んでもさっぱり内容がつかめなかったが、使われている単語から、“実験”というイメージが湧く。

 被験者とは、刀剣を使役するものらしい。ということは、被験者とは審神者?
 Lー581の投与を見合わせって、なんだ? 薬? “記憶の齟齬”とやらに対処するための……?
 それに、広間南カメラだって?

 この本丸は監視されているのか?



『15日目
 ……7-4にて重傷者2名発生。
 手入れの際に漏出の兆候あり。漏出量は基準値を大きく下回るが、今後増悪する可能性があるので注意を要する。……』



『19日目
 漏出事案発生。ただし漏出量は基準値以下であり、アリアネル分類では正常値内であることに留意。……』



『21日目
 ……刀剣二七七において乖離が発生。症状は失神(意識障害:類型ハのロ)。2時間4分で途絶解消。2日前に漏出事案が起きたことにより被験者に発生したストレスが影響しているものとみられる。Lー367を投与。
 被験者より検査の希望あり。対応については要検討。……』
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