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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第69章 私は…



『…………。』


客間には煉獄家3人。
無言のまま、誰も立ち上がろうともしない。


玄関では、草履を履く音が聞こえる。
千寿郎は堪らず玄関へと急いだ。




千「泰葉さんっ!!」




千寿郎の声にピクリと反応し、ゆっくりと振り返る泰葉。
その目からは涙が溢れ、頬を伝う。





「ありがとう。皆さん元気でね。」





そう微笑み、泰葉と両親は門を出ていった。






千「…泰葉さん…、本当に…?」






千は力無く、その場にへたり込んでしまった。










ーーーーーーーーーー


杏「父上。」

槇「ん。」




槇寿郎はゆっくりと目を開く。




杏「泰葉さんの気は…済んだでしょうか…。」

槇「あぁ。そろそろだろう。」



杏寿郎は立ち上がり、玄関へと向かう。
その後を追う様に槇寿郎も歩き出した。


千寿郎は急に動き出した兄と父にどうしたのかと思い見る。



杏寿郎が草履を履いた時、槇寿郎が声をかける。



槇「杏寿郎、金はいくらになっても良い。
できれば生きている方が良いが…致し方ない場合、生死は問わん。」


杏「はい、父上。」




千寿郎はこの会話の意味がわからない。
金?生死を問わない?



……え?




千「兄上!…一体何を⁉︎」


と声をかけた時には、兄の姿はもう無かった。



槇「千、俺も少し出かけてくる。」


千「⁉︎」


千「こんな時にどちらへ⁉︎」


槇「杏寿郎よりは早いと思うが……。
千は茶を煮出しておいてくれ。
お前の煮出す茶は…美味いからな。」





そう言うと、槇寿郎もあっという間に門を出ていった。



千「…もう…、皆さん何なんですか……」




混乱する頭。悲しんだら良いのか、自由すぎる兄と父に怒ればいいのか…。
千寿郎は泣きながら、茶を煮出す用意を始めた。






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