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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第69章 私は…




人集りは徐々に解消され落ち着いた頃、杏寿郎は立ち上がり智幸に頭を下げた。



杏「改めまして、泰葉さんとお付き合いをさせていただきました!
それで、また私たちの結婚をお許し願いたいのですが!!」



杏寿郎の突然の行動に、智幸は驚きつつもふと微笑んだ。




智「杏寿郎くんは本当に律儀な人だね。
だから僕たちもすんなり受け入れる事ができたよ。この人なら泰葉を任せられる…てね。」

花「泰葉の幸せが、私たちの幸せ。
…でしょ?智幸さん。」

智「あぁ、泰葉が杏寿郎くんといる事が幸せと言うなら、それを引き離す事は僕たちには許されないことさ。
…改めて、娘をよろしくお願いします。」





両親は杏寿郎に深々と頭を下げる。
茶屋の店先。
周りの客たちは、先ほどから一体何事かと思いつつ、ここでめでたい事が起きていることには変わりないと、立ち上がり拍手をし始めた。



『よっ!やったな!兄ちゃん!!』

『お幸せに!!』




わっと周りの人たちが2人を祝福する。
杏寿郎と泰葉は顔を見合わせ、ふふっと微笑んだ。



またそれを見て、智幸と花枝は目に涙を浮かべた。






『あの、これ。少しですがお祝いに。』



茶屋の娘が持って来たのは和菓子の練り切り。
可愛らしい犬の形をしており、白と桃色の2色が箱に納められていた。



「まぁ、可愛らしい。」

杏「紅白で、縁起がいいな!売られているのか?」



杏寿郎が娘に聞くと、いいえと首を振る。


『父にお兄さんたちの話をしたら、それならと作りました。
店にはあまり数を出しませんが、父の練り切り、美味しいんですよ。』



暖かい心遣いに、杏寿郎たちも嬉しくなる。
そうしていると、作ってくれたであろう店主が顔を出した。



『末永くお幸せに!ここでそんなめでたい話を聞いたら、この席は幸せになれる椅子になるな!
少しだが食べておくれ。犬は安産の神様とも言われているから、それ食べて頑張るんだぞ!』

『もう、お父さんっ!』




杏「うむ!それでは尚のこと!」

「がんばり…ます…。」



4人はたくさんの人に祝福を受けながら、その場を後にした。








杏「さぁ、帰ろう。我が家へ。」



「はい。」





2人は幸せそうに手を取った。
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