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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第68章 諦め



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し「…ここにいらっしゃいましたか。」

杏「む、やはり気付かれていたか…。」



泰葉にはバレていなくとも、しのぶには杏寿郎の様子が気配で分かっていた。
扉の前にいた事も、話を聞いていた事も。
そして、酷く肩を落としていた事も。




し「…お聞きになりましたか?
すみません、止めようとしたのですが…。」


杏「いや、構わない。
泰葉さんは、わーっと言ってスッキリしたかもしれんな。」


し「…泰葉さんは、自分が汚れてしまったと…。
おそらく胸元のを見てそう思ったのでしょう。」



起きて直ぐにあの痕を見れば、心を乱すだろうとは思っていた。
杏寿郎はあぁ、と少しため息を吐いた。




杏「あながち泰葉さんが思うのも間違いではないんだ。
実際、あの男達に付けられた痕ではある。
俺が上塗りしているが、前者の事実は消えない。」


し「…で?煉獄さん、どうするんです?
まさか…貴方も諦めるなんて…」



しのぶは片眉を上げて杏寿郎を見上げる。
杏寿郎はふと笑ってしのぶに問いかける。



杏「胡蝶!俺は直ぐに諦めるような男だったか?」



しのぶは杏寿郎の顔を見て、ふと微笑み返した。
そんな事は愚問だったと。




し「いいえ。私の知る限り、煉獄さんは決して諦めない人だったと把握していましたが。」


杏「そうか!!無論!俺の人生には彼女しかいない!」



ニッと笑うその顔はいつもの溌剌としたものに戻っていた。


し(最初は落ち込んだようでしたが、戻って良かった…)



しのぶは、姉の様に大切に思っている泰葉を、易々と手放されたのでは堪ったもんじゃない。
まぁ、そんな事になるとは微塵も思っていなかったが。





し「絶対、離さないでくださいね…。」













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