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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第9章 遊廓




何もできないもどかしさに
泰葉は拳に力が入った。


休憩がおわり、
また稽古が始まった。

この状況では、自分達に逃げ道はない。

ならば、客としてくる男性に助けてもらうしかないのではないか。
しかし、ここは欲と見栄が渦巻く所。




男は極楽

女は地獄




泰葉は不安で押しつぶされそうだった。





夜。

明日から客を取るため、今夜は静かに過ごすことができた。

部屋の窓から外を覗く。
提灯が明るく照らし、賑わっている。



下の道では、花魁道中が開かれているようだ。
美しい女性がしゃなりしゃなりと歩いていく。

これには流石に、見惚れてしまう。




店にいた、他の女の子は客を取っている。
部屋に入っていく男女の声。

男ばかりが楽しそうに喋っている。
それに、気持ちの入っていない女の相槌。


(明日から私もこんなことをしなくてはならないのか…)




時間が経つにつれ、熱のこもった声に変わっていく。
しかし、やはり熱があるのは男のみ。
きっと女は気付かれぬように涙を流す。





こんなことになるなら、見合いの話を受けて
自分に愛はなくとも、自分を好いてくれる人と
結婚した方がマシだっただろう。




泰葉は静かに震え、泣いた。





ーーーーーーーー


翌日


泰葉は問答無用で昼見世に駆り出された。

柵の外には沢山の男達がジロジロと見てくる。



そこに一際上背のある男と目があった…が、
その男はすぐに立ち去る。


昼見世に来るのは大抵冷やかしだ。
一度見てみよう程度。
この時間に来る人などに、助けを求めても仕方がない。


泰葉が視線を外に向けると、先程いなくなったはずの男が、また立っていた。
そして、隣には見覚えのある顔…


「炭…治郎くん…?」


泰葉は柵の方によっていった。
柵の近くにいた男は、自分のところに泰葉から寄ってきたのだと思い、喜んでいた。

それを炭治郎と天元が押しのけて柵の方に来る。


炭「泰葉さん!
ど、どうして…貴女がここに?」


大声をだしてしまう炭治郎に、静かに話すよう促す。

天「やっぱり、あんたが泰葉さんか。
ド派手にいい女がいたんで、こいつに確認させたんだ。」





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