第67章 後悔 ❇︎
『この女(あま)…!!!』
男達は嫁達、カナヲ、蜜璃に殴りかかる。
しかし相手が悪い。
『ふぐっ…!!』
『ぐはっ…!!』
威勢よくかかっていったものの、返り討ちに遭う男達。
もちろん男達はこんなに強いとは思っておらず、腹や鳩尾を押さえて咳込み蹲る。
雛「甘露寺様!!眠りについた女性からお願いします!!」
蜜「野蛮!!野蛮だわ!!小芭内さんにも言いつけちゃうんだから!!許さないんだから!!」
怒りを露わにしながら蜜璃は次々と女性を毛布で包(くる)んで運び出す。
嫁達とカナヲも薬の投与が終わったら女性達を運び出すのに回る。
そして、とうとう残す女性は泰葉1人。
泣きながら苦しそうにししている泰葉を見たしのぶは、これ以上ないほどに胸を痛めた。
和「はっ、女を連れ出したから何だってんだ。今は逆に女はコイツとお前だけ。この男達が大勢いる中で敵うと思ってんのか?」
し「…だれが私が打ちのめすって言いました?」
今までの優しい声が嘘の様に低く、冷たい声に変わる。
和「あ゛?」
し「私も貴方を怒ってますし、良いんですよ?そんなに言うなら、ここにいる全員のモノを使えなくしましょうか?」
にこやかな表情をしながら話しているしのぶ。
しかし、手には何かの液体が入った注射器。
額には筋が入っている分から、相当な怒りを抱いていることが伺える。
し「ああ。それでは足りないですね。
…どうします?切り落としてみましょうか?私にとってはそんな事はお安い御用です。触りたくも見たくもありませんが。今までの女性達が受けた傷に比べたら、そんな痛み、なんて事ないですよね?」
この綺麗な女性から出てくるとは思えない言葉達。
ジリジリと距離を詰めるしのぶの瞳には光がなく、これは本気に思っている事だと分からせた。
和「女医だかなんだか知らねぇが、勝手なこと言ってんな!!
お前に懲らしめられる訳ねぇだろ!!」
し「そうですか。
でも、貴方を懲らしめるのは、私以上に怒っている人に決まっているでしょう!
私以上に彼女を心から愛し、大切にしている人が!!」
すると、小さな炎のような灯りが見えた。