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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第9章 遊廓



その頃、泰葉は
ある建物の中に寝かされていた。
そして、ぺしぺしと頬を叩かれる。


「ん…」


泰葉は薄らと目を開ける。

知らない場所だ。
すると、年配の女性の声がする。

『やっと起きたかい』


「ここは…?」


『ここは、花街さ』


花街…
そこは遊廓が多く立ち並ぶ場所。
女人禁制で、男性のみが立ち入ることを許される。

その街に女性がいるということは…


『あんたは
売られたんだよ。』





泰葉は頭が真っ白になった。



自分が…売られた?



『あんたも不憫だね。
楽しいことも知った、いい頃の女子が
こんな場所に売られなきゃならないんだ。
あんたの許婚とやらが迎えにくると言っていたわよ。』





泰葉に許嫁などいない。


どこの誰がこんな酷いことをしたのか。


泰葉は、花街に対する知識はなかったが、
若い女の子が働くことは分かっていた。
25歳となれば、使い物にならないだろう。

「お婆さん、私は残念ながら
歳は25なの。もうこの歳では売り物にならないわ。」


できれば、諦めて捨てて欲しい。

最低でも下働きの雑用でいい。
それならば、隙を見て逃げることもできると思った。



しかし、その予想は大きく外れることとなった。



『あんた、25歳なのかい⁉︎

そう、それはいいねぇ!!』



女性の反応が、思っていたものと違い、戸惑う泰葉。



『その見た目にして、25の身体ってわけだ。
その歳じゃ、もう済ませているんだろう?
普通の店なら順を踏んで下働きからだけど、
そうときたら、早速明日から客を取ってもらおうねぇ!』


「ま、待って!まだそんなの…!!」

済ませるというのは、処女ではないことを示している。




もちろん、泰葉は男性と交際したこともなければ、そんな経験もしたことが無い。
いくら訴えても『往生際が悪い』と、一蹴されてしまった。



慌てる泰葉に構うことなく、着物の準備や客を取る準備に連れ出されてしまった。





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