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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第66章 消失



するとその時、頭上に鴉が旋回する。

『泰葉、泰葉 攫ワレタ!』


杏「…何っ⁉︎」
天「!!」

要の言葉に、耳を疑う2人。
だが、泰葉に異常があったから知らせに来たのだ。
杏寿郎はこうしてはいられないと、一旦男等と距離を置き、呼吸を瞬時に整える。


『な、今、鴉が…』
『喋った…⁉︎』


何人かの男は要に気を取られる。
杏寿郎は今まで加減をしていたが、この事態には急いでそちらに向かいたい。



杏「…先生っ!すまない!俺はそちらに向かう!」

天「分かった!こっちは俺1人で十分だ!」


杏寿郎は天元に向かって叫ぶ。
その声に気を取られていた男達もハッと意識を戻した。



『何を嘗めたことを!!』



杏「全集中の呼吸…」



男達が杏寿郎を向かわせて堪るかとまた攻撃を始める。
すると、杏寿郎の木刀からはゴウッと火の手が上がる。


『……!!!!』


杏「炎の呼吸 壱ノ型」

———不知火!!———




驚いている間に杏寿郎の姿は男達の前から消える。
そして、瞬きする間もなく、自分達の脛に激痛が走った。


『・・・・っ!!!!』

『ぐぁぁあ!痛ええぇ!!!』




男達はドサッと倒れ、自分の脚を押さえ悶えている。



杏「この者たちの脚は折っておいた!済まないが頼むぞ!」

天「…おう!多分向かう先に嫁たちがいる!薬を持ってるから飲ませろ!」



『そうはさせるかよ…!!』



杏寿郎が頷き走り出すと、杏寿郎に向かって毒針が放たれた。
それをすかさず、天元のクナイが弾く。



天「お前の相手は俺だよ。俺を相手にしながらアイツを追うのは不可能だって、分かってんだろ?頭爆発してんのか、アホ。」













杏寿郎は要の案内により、泰葉の攫われた場所へと急ぐ。


…泰葉さんがどうして捕まった?
彼女なら、急に襲われたとしても反射神経で身を躱すことなど容易かった筈。
友人を人質にとられたか?




杏寿郎は考えていると、先日の泰葉の異変を思い出す。



——魘されるほどの頭痛
——熱っぽさ
——桜の散る夢



…桜が散る。

…枯れ枝となった桜の木。

…あの桜は西ノ宮家の墓。




杏「くっ!!…俺としたことがっ…!!!」







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