第66章 消失
天「それでだ。今回は厄介な奴を相手する。
顔を知られるわけにはいかねぇ。」
天元は話を戻そうと今回の件を切り出す。
警官達も本来の要件を思い出したかの様に説明を始めた。
『奴らは45人の手下を従えています。自分達の欲のためなら手段を選ばない奴らです。女性たちを攫い恐らく薬でいうことを聞かせ、従わせているのでしょう。』
杏「む、それは…」
実「強制的に世話係っつーことかァ。」
天「世話係…だったらいいけどな。」
そこで今回の作戦は、基本的に変装だ。
警官達から制服を借り、警官役で取り締まる係と一般人として近づくことにする。
この悪党らは警官に自分達より強い奴はいないと思っている様で、悪絡みをしてくるらしい。
実際、勝てるものもいないため、揶揄われて殴られなければまだマシ。
ひどい人はボコボコにされてしまうそうだ。
天「警官役は不死川と冨岡に頼む。
俺と煉獄には制服の大きさが足りねぇんだ。」
天元は身長がありすぎて、一般人の服の大きさでは丈が足りない。
杏寿郎と実弥はほぼ同じくらいの身長だ。
むしろ実弥の方が身長は高い。
しかし、杏寿郎は胸筋が実弥よりあるため、借り物では釦が閉まらないのだ。
実「あぁ、いいぜェ。殴りに来たら返り討ちにしてやらァ。」
義「…今回刀は使っていいのか?素手か?」
鬼殺隊であった彼らは剣士だ。
素手であっても、恐らく負けはしないと思うが、刀状のものを持たせれば敵無しだろう。
『…っ、刀は…』
警官の一番若手が口を開く。
だが、上官はそれを止めた。
『今回は帯刀を認めます。』
『じょ、上官!!』
『これは…政府からの依頼でもある。この方達に頼んでいる以上優位に戦ってもらわねば。』
『政府にも目を瞑ってもらおう。』
『…ですが…。』