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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第66章 消失



杏「そのまま前を。」



杏寿郎は振り返ろうとする泰葉の肩を掴み、また前を向かせた。
鏡越しに杏寿郎を見つめる泰葉。
そのまま鏡越しに見つめ合い、杏寿郎は小さな箱から泰葉に贈ったネックレスを取り出す。




杏「勿論これは付けていってくれるのだろう?」

「ふふ、当然よ。これは証なんだもの。」




シャラっと泰葉の首元にかかる。
杏寿郎が後ろの金具が止めやすいように、泰葉はワンピースの釦を2つ程開けて首の後ろを弛ませた。

白く柔そうな項が露わになる。
こんな状況になり得ないのは分かっているが、
万が一他の男に見られたならばと、まだ起きぬ出来事に嫉妬心が顔を出す。



————…ぢゅっ


「ん⁉︎」



急な刺激に思わず体を反らせる。


杏寿郎は泰葉の反応に、自分が無意識で項に印をつけたことに気付いた。


杏「ん、む。すまない!無意識だ…。」


自分の行動にワタワタとする杏寿郎。
無意識で印をつけるとは…。
自分の独占欲の強さに失笑する。


その様子を鏡越しに見ていた泰葉は、それ程心配してくれているのだろうと愛おしかった。
この嫉妬深さにそう思えるのだから、自分も大概だ。



「杏寿郎さん、今日もし声をかけられたりしたら、ちゃんと相手がいるって答えるわ。だから…。」



泰葉は振り返り、杏寿郎の後頭部へと手を回し、ぐいと引き寄せ口付ける。



杏「ん…!!」


「印はまた今度。
由梨恵に見られてしまったら恥ずかしいわ。」




だから、消したのだろう。
杏寿郎の口に自分から舌を差し込むなど珍しい。




杏「常日頃から、今のように来てくれると嬉しいんだがな…。」

「えっ、それはちょっと…恥ずかしいわ。」

杏「俺はまだ1日に一度は口付けをする約束は忘れていないぞ!!」






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