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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第64章 焦りと余裕



『只今戻りました!』


泰葉と千寿郎が声を揃えて挨拶をする。
すると、お盆に湯呑みを乗せた杏寿郎が出迎えた。



杏「おかえり!楽しんで来れただろうか!!」


いつもの快活な声に、自然と泰葉の口元には笑みが浮かぶ。



「楽しかったわ!活動写真を観てきたのよ!」

杏「ほう。活動写真か!」

「すごく素敵で、刺激的だったの!」



観たものを思い出しているのだろう。
また興奮気味に話す泰葉。


それをニコニコしながら聞いている兄。


あんなに泰葉に近寄られても動じない、大人の余裕ってやつだろうか。



杏「千、どうかしたか?」

千「いえ、兄上には敵わないなと思いまして。」

杏「ん…?何に対してかは分からんが、俺も千寿郎に敵わない事は沢山ある!胸を張れ。」


にこやかにそう励ましてくれる杏寿郎。
本当に敵わない。



千「僕なんてまだまだです!
…それより、本当に素晴らしい作品だったのです!大人になった気がしました!」



千寿郎も段々と熱が蘇る。
2人の様子と、「刺激的」「大人になった」その言葉を聞いて、杏寿郎は些か心配になってきた。


以前泰葉と観たものも「刺激的」で「大人」なものだった。
だからこそ不甲斐なく、その場で欲情してしまい路地裏へと引き込んだのだ。


ま、まさか…。



杏寿郎にはあの時の事が蘇る。




杏「そんなに…すごかったのか…?
い、いったい何を観てきたのだろうか。
千寿郎は観て大丈夫なものなのか?」




「え、もちろん大丈夫よ。」

千「僕がダメってどんなものですか?」



「だって…」





『【実録 昆虫カラ見タ世界】ですもん。』






杏「こ、昆虫…?
…よもやよもやだ。」






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