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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第64章 焦りと余裕



由「それじゃ、日曜日宜しくね!」

「う、うん…」

千「ご馳走様でした。美味しかったです!」

由「良かった、また来てね!」



店を出る際、由梨恵に声をかけられた。
お願いだから、日曜の件ををもう言ってくれるなと視線を送る。

それを察した由梨恵は千寿郎ににこりと笑顔を向けた。




「…帰りましょうか。」

空を見れば少し夕焼け空へと変わりつつある。
随分と日が短くなったものだ。



千「もう帰らないといけないんですね…。」

「楽しい時間って過ぎるのが早く感じるわ。また来ましょう。」





まだ帰りたくない…

ほんのちょっと千寿郎の心に、そんな我儘が浮かぶ。
でも、泰葉とは義姉弟での関係にしか成り得ない。
そんな思いが、千寿郎の幼き恋心にチクッと針を刺す。









千「そういえば、日曜日何かあるんですか?」


由梨恵とのやり取りを見ていれば、自然と湧く疑問。
千寿郎はなんの気無しに聞いている。



「え、あぁ。ちょっと出かけようって誘われてね。
友達と出かけるなんて久しぶりだから…。」



よくまぁ、自然と嘘が出て来たなと苦笑する。



千「そうでしたか!由梨恵さんが一緒ならば大丈夫ですね。
どうぞ楽しんで来てください。」

「えぇ。ありがとう。」



ほんの小さな嘘。
でも、それが千寿郎たちの心配を煽る様なものだからこそ、罪悪感が占める。


千「由梨恵さんとは長いお友達なのですか?」

「うん。彼女とは女学校の頃から仲が良くてね。
以前はよく会っていたのだけど、私が働いてからはなかなか時間が合わなくなったの。
でも、手紙のやり取りはしていたのよ。」

千「そうなんですね!僕も学校に通ったら、そんな友達もできるでしょうか。」

「できるわよ!千寿郎くんは優しいし、友達なんてすぐに沢山できるわ!」


千「ありがとうございます。楽しみです!」





それからはまた活動写真の話をしたり、今日の出来事を思い返しながら家路へとついた。




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