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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第64章 焦りと余裕



「そういえば、話って?」

由「あ、そう!その件なんだけどね。」


由梨恵がちょいちょいと手招きして奥へ来る様に促す。


「ちょっと行ってくるわね。」

千「…?はい。」




千寿郎は由梨恵は女性だし、友人ということもあって特に気に留めずにいた。




由梨恵について行き、他の客から見えないところに移動すると、パンっと両手を合わせ、頭を下げた。



由「お願いがあるの!!」

「お願い?」


由「今週の日曜日、1日でいいから働いてくれないかな!!」



「…えっ⁉︎」



由梨恵の突然の頼みに、ただただ驚く泰葉。
辺りを見渡すと、杏寿郎と訪れた店よりもはるかに働き手が少ない様に思う。


「人手…不足なの?」

泰葉の質問にコクリと頷く由梨恵。


由「…実はさ、ここ最近突然来なくなっちゃう子が多くて。
私も先週からなの。ここで働くの。」


随分手慣れた様だったから、しばらく前から働いていると思っていた。


由「でも、この人手不足になっちゃって。日曜日がとてもじゃないけど対応できないのよ。」


「でも…、私接客業なんて…。」

由「大丈夫。注文をとって伝えてくれればいいから。
ね!お願いっ!!笑顔の可愛い泰葉なら大丈夫!」




由「それに、まだ独身ってことでしょ?」


「え…まぁ、そうだけど…」






パーラーのウェイトレスは、顔の審査の他に、結婚の有無も関わる。
男性を相手する仕事ではないが、ウェイトレスが人妻だったり子持ちだったりすると、がっかりされる為独身が優遇される。


なんとも失礼な話だ。







由「ちょっと待ってて!」


そう言って由梨恵は1人の男性を連れてきた。
店長と書かれた名札をつけた男性は、泰葉を見るなり嬉しそうな表現をする。



『やぁ、君が日曜日に?いやー、大助かりだよ!よろしく頼むね。制服は用意するから、何も持たないで来て大丈夫だからね!』


そうとだけ言って、彼は忙しくまた奥へと戻って行った。




由「よかった!じゃぁ、そういうわけで宜しくね!
今日のアイスクリンは私の奢りって事で!」

「…えぇ…」




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