第2章 無限列車
杏「無事に目を覚ましてくれ…。」
隠達は迅速に対応に当たっているが、乗客は200人にもなる。
傷の酷い人から対応される為、泰葉の番はだいぶ先だろう。
杏寿郎は泰葉を隠からも分かりやすいところへ連れて行き、列車にもたれかけさせるように座らせた。
その後、炭治郎達の様子は…と、見渡すと傷を負い動けないのか、横たわっているのを見つけた。
すぐに駆けつけ、様子を見る。
杏「全集中の常中ができているようだな!感心感心!」
そういうと、炭治郎に呼吸による止血を教えた。
ギギギ…と、苦戦する炭治郎。
何度か挑戦し、やっと止血することができた。
血は止まったが、痛みは強い。
動くことができなかった。
すると
ドォォン!
衝撃の先をみて、炭治郎と杏寿郎は目を見開く。
そこにいたのは
上弦の参。
「なぜここに…」と、戸惑う炭治郎。
上弦の参 猗窩座は杏寿郎を見た後、炭治郎を見てニヤリと笑う。
そして、炭治郎を目掛けて拳を刺そうとする。
杏「炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天!!!」
杏寿郎の刀は振り上がり、猗窩座の腕を真っ二つにした。
チッと舌打ちをして少し退がる猗窩座。
腕はすぐに再生された。
猗窩座は杏寿郎との話の邪魔になる…
そのためにも炭治郎を消そうと思っていた。
猗「素晴らしい提案をしよう。お前も鬼にならないか?」
杏「ならない。」
猗「ならないなら、殺す。」
ニヤリと笑う猗窩座は攻撃を仕掛けてきた。
猗「破壊殺・空式」
杏「炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり!!」
激しい攻防が繰り広げられる。
速度も力も桁違いの戦いに、炭治郎は加勢しなくてはと、起きあがろうとする。
「動くな!
傷が開けば致命傷となるぞ!
待機命令!!」
杏寿郎の強い言葉が届く。
伊之助も、桁違いの戦いに動くこともできない。
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「う、う…ん…」
泰葉は目を覚ました。
ゆっくりと開けた視線の先には、外の開けた景色があった。
あれ?どうして私は外に?
あたりを見渡すと、黒子のような人に乗客たちが誘導されている。
事故か何かに巻き込まれた?
しかし、自分は不思議なことに無傷だった。
「どうして…」
泰葉はハッとお婆さんの存在を思い出した。
急いで立ち上がろうとすると、隠におぶられたお婆さんがいた。