第2章 無限列車
「…っ!」
杏寿郎は泰葉を、斬撃を放ち再生が遅れている場所に寝かせ、また各車両へと向かった。
…一方で、伊之助の能力により、鬼の頸を突き止めた炭治郎達。
頸の位置がわかりながらも、頸を斬らせまいと沢山の目が血鬼術を使って眠らせてくる。夢の覚醒方法が分かっていた炭治郎は夢で己の首を斬っていたが、ついに現実と分からなくなってしまう。
「おい!それは夢じゃねぇ!」
伊之助に止められ、なんとか留まるが苦戦を強いられていた。
その時、
「邪魔をするなぁ!」
まさかの車掌が炭治郎の脇腹を刺した。
咄嗟に手刀で車掌を気絶させる炭治郎。
伊「お、おい!大丈夫なのか⁉︎」
炭「気にするな、大丈夫だ…。」
大丈夫そうには見えないが、この鬼の頸を斬らなばならない。
2人は連携をとらなければ勝てないとよみ、
先行して伊之助、後攻で炭治郎が攻撃する事にした。
伊「獣の呼吸 肆ノ牙 切細裂きぃ!!!」
伊之助の攻撃により、鬼の頸の骨が剥き出しとなった。
炭「ヒノカミ神楽ァ!! 碧羅の天!!!!!」
ギャアァァァァァァァァァァ
悲鳴のような、金属がひしゃげるような音が鳴り響く。
車体はガタンガタンとのたうち回るように大きく揺れ、脱線していく。
炭治郎は脇腹が痛くて反応が遅れ、列車から放り出されてしまった。
伊之助は鬼の肉片がゴム毬のようになり、うまく着地することができた。
善逸、禰󠄀豆子、その他の乗客も衝撃を和らげるため、杏寿郎がたくさんの技を出していた事と、鬼の肉片により、命は取り留めた。
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杏寿郎は乗客の無事を確認して、隠達に乗客の誘導と手当てをお願いした。
そして、気になっていた泰葉のいた7両目に向かった。
そこには未だ横たわる泰葉の姿があった。
杏「やはり、売店にいた方だ…。」
息はしている。
手当てをして貰えば次第に目を覚ますだろう。
すると、「その娘…生きてるかい?」と近くにいたお婆さんが声をかけた。
お婆さんは額に切り傷を負いながら
「その娘はね、とても…いい娘なの。生かして…おくれ。」
杏「大丈夫です。気を失って眠っているだけです。生きてますよ。」
その言葉を聞いて、お婆さんは泣きながら頷いた。
そして、杏寿郎は泰葉を横抱きにして列車から出た。