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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第64章 焦りと余裕



さて、泰葉と千寿郎は…。




千「き、今日は晴れて、良かったですね!!」

「ふふ。そうね。」

千「泰葉さんは、撫子色もお似合いですっ!」

「ありがとう。千寿郎くんも似合っているわ。」

千「ありがとうご、ございます!!」



こんな感じでずっと緊張している千寿郎。
泰葉は可笑しくも可愛らしくて仕方がない。



「千寿郎くん。そんなに緊張しないで。私まで緊張しちゃう。」

千「あ、あは…。すみません、こうして女性と歩くの…慣れていなくて。」

「私と2人で歩くのは…杏寿郎さんの誕生日の日以来ね。あの日はこんなに緊張しなかったでしょ?」

千「はい。あの日は兄の誕生日で頭がいっぱいだったので…」



それにあれは送っていくという業務的な事だった。
それが今、逢瀬という形で2人で歩いているのは、不思議な気持ちでならない。




「千寿郎くん。手、繋ぎましょうか。」

千「は、え…て、手…ですか⁉︎」

「そう。心が落ち着かなかったりする時は、手を繋ぐと心が穏やかになるのよ。」



そう言って泰葉は、千寿郎の左手を取りキュッと握った。



(あら、緊張してるからもっと手が冷えてると思ったけど、少し汗をかいているくらい温かい。
…流石煉獄家の男の子ね…!)


泰葉は温かい千寿郎の手を握り、頬を綻ばせる。
ぬくぬくとしたその温もりは、冷え始めたこの季節にちょうどいい。


片や千寿郎はそんなところではない。
今回逢瀬と言っても、泰葉に触れることはないと思っていたのだ。



千(わわわ…!!泰葉さんと、手、手を繋いで…えっ…これはどういう⁉︎
っていうか、泰葉さん何してるんですか⁉︎いいんですか⁉︎
兄上に僕絶縁されてしまったらどうしましょう…!!)




千寿郎の頭の中はぐちゃぐちゃで、顔色が赤くなったり青くなったり忙しない。



千「あ、あの…泰葉さん、手を繋ぐのは…僕…」

「え…嫌だった?」

千「い、嫌だなんて!!…でも、兄上にも申し訳ないし…。」

「うん、千寿郎くんならそう言うと思ってた。
大丈夫よ。杏寿郎さんからも許可してもらってきたわ。」

千「…えっ?兄上が⁉︎許可を⁉︎」



「ええ。」



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