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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第8章 金魚



それから女将の誤解は解けた。
とても残念そうにされて、何故か申し訳なくなる。



そして、やっと採寸が始まった。

泰葉は女将さんと奥の部屋に入っていく。


そして、ここから男3人の勝負が始まった。
どの着物の色と、柄にするか…だ。


泰葉に聞いたが、特に決めてはないらしいので、似合いそうなものを選んでくれとの事だ。


それぞれ、泰葉に似合うものを持ってくることにした。



そして、暫くしてまた集まる3人。
同じ髪の男たちが女物の着物を持って、議論しているため、店主が奥の4畳ほどの部屋へと通す。



まず、
千寿郎は、撫子色の着物に桜文柄の可愛らしい着物。

杏寿郎は、勿忘草色の着物に菖蒲柄の凛とした着物。

槇寿郎は、若菜色に青海波柄の柔らかい着物。


どれも系統が違った。

そして、全て似合いそうだった。
うーん…と頭を悩ませる3人。



採寸が終わり、3人に声をかけようと思った女将は、クスクスと笑い出す。

そして泰葉にも、そっと覗いてみるよう促した。
綺麗な着物を前にして、どの着物にしようか悩む同じ髪の
大、中、小。
なんとも微笑ましかった。



「あんなに真剣に考えてくださってるのだから、杏寿郎様と一緒になったら良いのに。」
女将さんは諦めていないらしい。

「いえいえ、煉獄家にはもっと相応しい方が、嫁がれますから。
私では、釣り合いませんよ。」


そう答えると、そんな事ないと思うけど…。
と女将さんは呟いた。




しばらくすると、男たちの結論が付いたようだった。


「どれに決まったのですか?」


杏「出来上がったら泰葉さんの家に届く様にしてもらう!」
楽しみにしていてくれ!!!!


この結論が、後に泰葉の悲鳴を生み出すのだった。






呉服屋を出ようとした時、
千寿郎が立ち止まる。


槇「どうした、千。」

千「父上、僕どうしても欲しいものがあって。」

千寿郎が珍しく欲しいものがあると強請った。
父として、幼き頃を共に過ごさなかったこともあり、なんでも買ってやりたい気分だ。

槇「どれだ?」

千寿郎は何かを手に取った。




それは、手のひらに収まる程の

赤い金魚だった。


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