第60章 君を傷つけない為に ❇︎
念のためにと杏寿郎は、クプッ…と泰葉の蜜口に指を差し込む。
「んぁ…」
杏「いつものように最初に達しておいた方が良いだろうか?」
泰葉からの要望で、うんと優しくしていた杏寿郎。
故にまだ達するほどの刺激を与えていなかった。
気持ち的にはもう挿れたいが、泰葉に痛みがあっては大変だ。
くいっとナカで指を曲げ、ぷくっと盛り上がったところを擦り上げると、「ああっ」と上擦った声を上げる泰葉。
杏寿郎がここか…、と刺激を与えようとすると、泰葉の手が杏寿郎の手首を押さえる。
「きっと…大丈夫だから…」
杏「ん…?」
「このまま…きて…。」
杏「しかし…」
「きて…」
ここまで泰葉に積極的に言われては…。
杏寿郎の喉がまたゴクリと鳴る。
ちゅぷ…と指を抜き、指に絡まる蜜を舐めとった。
杏「…では、大きく息をしてくれ。」
「ん…はぁ…」
泰葉は杏寿郎の色っぽい仕草に、ぞくぞくっと身震いがおきる。
言われた通り、大きく息を吸って、吐いて。
すると、その呼吸に合わせて杏寿郎の昂りがググッと入口を押し広げていく。
「はぁぁっ…」
(…これだけで…もう…)
まだ一度も達していない為か、圧迫感がすごい。
呼吸に合わせて押し込まれる昂り。
その圧に圧倒されているのは、杏寿郎も同じ。
押し進めるたびに、きゅうっと締め付けられる感覚。
腰を持っていかれそうな快感を覚える。
杏「はぁっ…すごいなっ…」
思わず声が漏れる。
2人の熱い吐息が交わり、どちらからもなく口付ける。
互いの口内を荒らすように舌が蠢めいて。
「んんっ!あぁっ…」
ググッと杏寿郎の腰が押し付けられて、泰葉のナカに全てが入り切った。