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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第59章 あなたは誰?



杏「あぁ…。そうとは知らず、失礼。昼間ここの店主と夜にでも伺うと話しているのだが…。」


『左様でございますか。では、少々お待ちいただけますか。』


また頭を下げて、奥へと入っていく女性。
きっと店主に確認しているのだろう。


「杏寿郎さん、私たち大丈夫かしら。」

杏「店主が覚えてくれていれば…だな!」


不安そうな表情の泰葉にニコリと微笑む杏寿郎。
すると、奥の厨房と思われるところから、男性がひょこりと顔を出す。


『おぉ!旦那!本当に来てくださったのかい!飯はまだだったらたくさん食って行ってくれ!』


そう言われて、杏寿郎はニコリと微笑みながら左手を上げた。



『ご案内致します。』


女性が美しい所作で案内してくれる。
厨房の前を通る時、お出汁のいい香りが鼻腔内を満たす。



『そちらの2人に2階の奥の部屋を開けててやんな。』


店主が女性にそう声をかけた。


『承知しました。』

杏「あ、いや…」
「2階?」


店主の言葉に慌てて杏寿郎は断りを入れようとすると、女性が振り返り首を振る。


『こんな可愛らしい方と、逢瀬なのでしょう。男を見せておあげなさい。』


杏(いや…もう、夫婦になるまでの関係なのだが…)


そう思っている杏寿郎に、女性はまた一言加える。


『それに、きっと今日はそうしていた方が良い気がしますよ。その髪色、煉獄様でいらっしゃいますね?』

杏「…む、確かに煉獄と申します。何故それを…?」



眉間に皺を寄せ、どうしてまだ名乗っていないのに知っているのかと訝しみ、女性を見る。


『…店主から事情を聞きましたので。』





含みを持った言い方。

少しの間が気になりはしたが、店主が話したのなら…と杏寿郎はそれからは追求しなかった。




『こちらのお部屋をどうぞ。』



そう通されたのは、2人には十分な広さの個室。



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