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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第59章 あなたは誰?



槇「その上弦の参との戦いで、生死を彷徨う状態だったのを知っているか?」

巧「もちろんです!それを聞いて、どうして行かなかったんだって…。」


槇「あの場に、君程の実力はないが3人の隊士が同行していたんだ。彼らは下弦との戦いには力になったものの、上弦との戦いにはそれを目で追うこともできなかった。」

槇「上弦は柱3人分の力…参となればそれ以上だったかもしれん。そこに甲であっても加勢するのは、無理だ。」



これは、柱として長らく戦ってきた槇寿郎だから分かる、上弦の力。
彼が決して弱いわけではなく、ほぼ不死身と化した鬼の力が強すぎるのだ。


まだ苦虫を噛み潰したような顔をする巧。


槇「俺は、君が行かなくて本当に良かったと思っている。ついて行ってもきっと加勢はできない。その無力さを感じながら、杏寿郎が死にそうなのを見たら君は耐えられるか?今よりも更に後悔の念を抱いているだろう。」


巧「…そう…ですね。」


実際、無惨との戦いで自分たちは上弦以下の鬼を相手していた。しかし、それでもやはり手こずった。
確かに、自分があの場にいても、何もできなかった可能性が高い。


槇「それに、例えば君が加勢し命を落としたならば、今この話を聞く事もできなかったんだ。それに、何より杏寿郎は生きている!だからもう後悔は捨ててくれ。」


槇寿郎がそう微笑んだ時、巧の目の前に美味しそうな天ぷら蕎麦が置かれた。


イ「お待たせしました。」


槇寿郎の言葉に巧の表情は明るく変わる。
そうだ、杏寿郎は生きているのだ。
いつまでも後悔していても仕方がない。

そう思った途端、ぐぅー…と巧の腹の虫が鳴いた。



千「美味しそうですね!いただきましょう!!」




『いただきます!!』



手を合わせ、3人はそれぞれの食事を頬張る。


巧「うわ!美味い!」


千「ふふ、兄上みたいですね。」

巧「炎柱は本当に食べ物を大切に、美味しそうに食べますよね!俺も、それを見習おうと思って!」

槇「本当に杏寿郎は美味そうに食べる。よくあんなに美味いと食べられるのが不思議だがな。」




だんだんと巧の緊張も解けて、鬼殺隊での周りから見た杏寿郎の話や、槇寿郎の柱の時の話などをした。


巧「そういえば…」


巧が、ふと思い出したかのように、ちょっと興奮気味に口を開く。




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