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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第7章 満月



月明かりに照らされ、金色の髪が光る。

つい、見惚れてしまった。


杏「昨日、ここで月を見た時、生きてるという事を実感したんだ。
地に足がつかないように思ったが。
明日は満月だ。と、楽しみにしていた。

よもや、まさか君と見られるとは思いもしなんだ!」

はっはっはっと笑う杏寿郎。




泰葉は、視線を月へと移して、真丸と輝く月を見つめた。

こんなに月を眺めたのはいつぶりだろうか。


育ての両親といる時は、月を見ながら3人で話をよくしていた。
今日あった出来事、明日の予定…
何でもない内容の話だったが、それは楽しかった。


20歳を超えて、一人で住むようになった。
理由は独り立ちしたかったのと、
一緒にいると、両親が危ない…と思ったからだ。


育ての親は優しく、いつでも泰葉の事を想ってくれている。
親はとても心配した。
不便な目に遭いはしないか。
変な男に捕まってしまうのではないか。



鬼に捕まってしまうのではないか。




しかし、泰葉は大丈夫、と押し切って1人で住んでいる。



しょっちゅう手紙のやりとりはしていて、近況は分かっているが、やはり恋しい時はあるものだ。









「5年か…」


泰葉がつぶやく。



杏「…5年?」

「育ての両親と離れて、1人で住まう様になってから5年経つんです。
1人になってからは月もろくに見なくなってしまったなぁ…って。」


杏寿郎はふむ…と考えた。

彼女のことは知りたいと思うが、まともに話したのは初めてに近い。
どこまで聞いても良いのだろうか…。


そう考えているのが分かったのか、泰葉は話し出した。


「12歳の時に、今の両親に出会いました。
その前はまた違うところに住んでいたみたいなんですが、覚えてなくて。
両親は優しくていい人たちです。」


泰葉は笑っていたが、少し困惑している様に感じられる。

杏「なぜ、今は1人に?」

「両親との生活は居心地のいいものでした。」


泰葉は少し俯く。

「独り立ちしたかったというのと、
一緒にいたら、両親が危ない…
そう直感で思ったんです。」


その危険というのは、鬼…鬼舞辻のことだろう。
一族を滅ぼされた。本能で危険を感じているのかもしれない。





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