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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第58章 逢瀬



杏「それでは、よろしくお願いします!」

咲「はい、お願いされます。」

しばらくして、杏寿郎は家へと戻ることとする。
泰葉が世話になると頭を下げれば、咲子は茶目っ気で返す。
泰葉はなんだか子供扱いされているような気分だ。


少しむすくれた顔をしていると、杏寿郎はチラリと視線を泰葉に移す。


杏「明日の朝、要を飛ばす。出る時間が分かったら教えてくれ。そしたら俺も家を出よう。」

「分かったわ。要に伝えるようにする。…気をつけて帰ってね。」


見つめながら微笑む泰葉と杏寿郎は、あっという間に2人の世界。
杏寿郎は段々と距離を縮め、今にも口付けようとしていた。

泰葉は慌てて杏寿郎から一歩下がる。


「きょ、杏寿郎さんっ、ここは他人のお家です!!」


泰葉の言葉にハッとする杏寿郎。
いつから場所など見境なくなってしまったのか…自分でも驚いた。


咲「私はむしろ構わなかったけど…。恥ずかしいわよね。
先に向こうに行ってるから、ごゆっくり。」

ニコッと微笑み、咲子は奥へと戻っていった。


「あっ、違っ…「では…」


咲子に言い訳をしようとする泰葉の言葉を遮り、杏寿郎は泰葉の顎をくいっと持ち上げる。



杏「気を遣ってもらったんだ。それなのに、何もしないでおくのは、些か失礼だと思わないか?」


泰葉の言葉も待たずして、ちゅっと触れるだけの口付けを落とす。
ここが他人の家だということが泰葉には背徳感と、どこかで見られているのでは…という羞恥心で、ボンっと赤面する。


杏「…ごゆっくりと言われたが…んむっ。」


そう言いながら、また口付けようとする杏寿郎の唇に指先を当てて制する。


「そういうごゆっくりじゃありません。」

「この続きはまた明日…。」


少し睨むように、ぽつりと呟く泰葉に杏寿郎の心臓はギュッと握られたような感覚を覚える。


杏「そう可愛いことを言って…。うむ、ではまた明日。初めての逢瀬、楽しみにしている!」


杏「…愛している。泰葉。」

「——-っ⁉︎」


そう杏寿郎は耳元で囁き、ニカッと笑って去っていった。



…でも、きっと杏寿郎も恥ずかしかったのだろう。



呼吸を使って、一瞬で姿を消した。


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