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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第58章 逢瀬



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1週間後、泰葉はちょっとした荷物を用意した。

杏「忘れ物はないか?」

「うん、大丈夫。」

泰葉の手から荷物を受け取り、杏寿郎と泰葉は玄関に立つ。


千「気をつけていってきてくださいね。」

千寿郎と槇寿郎が2人を見送りに来てくれた。


「では、一晩行ってまいります。久しぶりの親子での時間を楽しんでくださいね。」

槇「俺たちのことは気にせず、羽を休めてくるといい。気をつけてな。」


泰葉はにっこり微笑んで、杏寿郎と玄関を出た。
杏寿郎は左手に泰葉の荷物を持ち、右手は泰葉と手を繋ぐ。

「隣の奥さん、元気にしてるかしら。変わり無いといいんだけど。」

杏「すぐに返事をくれたんだ。元気にしているはずだ!」

杏寿郎の言葉に、泰葉は頷く。


「まずは何から話そうかなぁ。色々ありすぎて、迷っちゃうわ。」


泰葉がそういうと、杏寿郎は繋いだ手を口元に当てる。
泰葉の手の甲には杏寿郎の柔らかい唇の感触がある。


杏「まずは、2人で報告をしよう。間もなく夫婦になります…とな。」

杏寿郎の流し目に色っぽさが見える。
この瞳の赫がユラッと揺れる時、泰葉の中で何かが騒めく。
この感覚はなんだろうか…。お腹の奥がキュッとする感じ。


「う、うん。なんか…照れちゃうわね。」

杏「何も照れることなどないさ!咲子さんはもう既に経験されていることなのだから!」


さっきの色気はどこへやら。
溌剌とした笑い声が響く。


泰葉はそれもそうだなと思いながら、杏寿郎との束の間の移動を楽しんだ。


街を通り抜けようと歩いていると、見るわ見るわ。
すれ違う女性のうっとりとした視線。
その視線はもちろん杏寿郎に向けられたもの。

そして、しっかりと手を繋がれている泰葉に妬みの視線を送る。

泰葉はなんだか肩身の狭い思いをしていた。


『なんであの人にあんな女が!』と言われなくても、目が言っている。
自分に自信があるわけでない泰葉には、その視線が痛かった。






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