• テキストサイズ

太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第57章 大輪菊



家に着き、其々手洗いなどを済ませて泰葉はお茶の用意をして居間に向かう。

すると、そこには風呂敷を開けて、嬉しそうに弁当を広げる杏寿郎の姿。
その姿はまるで子供のよう。
泰葉は思わずクスリと笑った。


杏「ん?どうした。何か楽しいことがあったか?」

そのまま口角が戻らない泰葉の顔を見て、杏寿郎はこてんと首を傾ける。


「いえ、杏寿郎さんがあまりに嬉しそうだったから。」

笑った理由を言えば、杏寿郎は少し固まり自分の行動を思い返す。

杏「むぅ…、少々はしゃいでしまったようだ…。」

「ううん、感情を素直に出せる事は良いことよ。私はそういう人の方が好きだわ。」


泰葉がそう言えば、今度は頬を染める杏寿郎。
面白いくらいに表情が変わる。


杏「泰葉さん、今夜…「あー、お腹が空きましたねぇ!」

千寿郎がお腹をさすりながら入ってきた。

「さぁさぁ、お茶も入りましたから、皆さんでいただきましょう!」

槇寿郎も居間に入ってきたので、泰葉は茶を並べる。

あ…杏寿郎さんは何か言い半端だった気が。



「杏寿郎さん、さっき何か…」
杏「いや、大丈夫だ!気にしないでくれ!!」


「?」


杏寿郎は慌てたように首を振り、何事もなかったかのように弁当の蓋を開ける。

杏「んー!美味そうだ!!」

気を取り直して泰葉たちも蓋を開けると、きのこご飯のいい香りが鼻をくすぐる。
香りからして一気に秋へと引き込まれた。


「あぁ、いい匂い!」

槇「さぁ、いただくとしよう!」

『いただきます!』


皆揃って挨拶をし、きのこご飯を頬張る。
きのこの出汁が染みていてとても美味しい。


「美味しい〜」

思わず笑顔になっていく。
千寿郎も槇寿郎も目を輝かせて黙々と食べ進めていた。


杏「うまい!うまい!!」


もちろん、杏寿郎が美味しそうに食べていたのは言うまでもないだろう。

気づけばすでに5つの空き箱が重なっていた。


「杏寿郎さん、いつの間に⁉︎」

杏寿郎は食べるのが早いが、とても綺麗に食べる。
ご飯粒ひとつ残さないし、品がある…と言ったら良いだろうか。

見惚れていると、いつの間にかさらに2箱空になった。



『ごちそうさまでした!』




/ 1005ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp