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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第57章 大輪菊



家に向かう中、泰葉がそういえばと口を開く。

「杏寿郎さん、私近々隣の奥さんのところへ行きたいの。
正式に結婚することになった…って…伝えたくて。」

まだ,その言葉が照れ臭くなる。


杏「そうか!咲子さんにもまだ伝えられていなかったな!
俺も一緒に行こうか?それともたまには、1人がいいか?」


杏寿郎がいては気を使うこともあるかもしれない。
どうせなら沢山話をして楽しんできてほしい。

そんな彼なりの心遣いを泰葉は汲み取った。

「じゃぁ、今回は1人で行ってこようかな。」

杏「そうか。承知した!では,迎えには行こう。変な男に絡まれては大変だ。
街で待ち合わせて…逢瀬だな!」

杏寿郎がニカッと笑いながらそう言うと、千寿郎が顔を赤くする。


千「…お、逢瀬ですか。兄上からそのような言葉が出てくるとは…。」

槇「本当だな。そんな言葉も知っていたのだな。」


揶揄っているのか、真面目に言っているのか。
杏寿郎はそんな2人を心外だな!と見つめる。

内心、泰葉も思っていたのは内緒である。



「逢瀬…。私たちそういえば機会がなかったですね。」

想いが伝わった時には、理由は違えど一緒に住み始めていた。
恋人らしい付き合いをしていなかったな…と思い返す。


杏「あぁ。このまま夫婦になったらますます機会がないだろう?
だから、今のうちに恋人らしいことをしようと思ってな。」

「ふふ。楽しみにしてる。」

もう一度、杏寿郎の手を握り直すとキュッと力を込められる。
大きくて男らしい骨張ったゴツゴツとした手。自分とは正反対の手の感触を感じながら歩く。


「あ!」

杏「ん?」

「千寿郎くんも、一度は2人で出かけましょうね。
ちゃんと兄上に許可をもらって。ヤキモチ妬かれないように。」

杏寿郎の横からひょこっと顔を覗かせそう言うと、千寿郎はまさかのお誘いに驚いている。

千「えっ!僕とですか?もちろん嬉しいですが…良いのですか?」

心配そうに杏寿郎を見る千寿郎。
杏寿郎は前を見たままなのではっきりとした表情は伺えない。


杏「うむ。他の男と出かけられるより、信頼できる弟と出かける方がよっぽど良い!行ってくるといい!!」


その気合い入った返事が怖いんだよなぁ…と、眉を下げる千寿郎だった。






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