第7章 満月
泰葉は、どういうことかと思った。
土産を買ったのは、蝶屋敷の子達と
炎柱様には買った。
杏寿郎はあの時は蝶屋敷にいるのを確認できなかった。
「…芋けんぴですか?
あれは…炎柱様に買ったものですが…」
杏寿郎は固まった。
なんなら、千寿郎と槇寿郎も固まった。
杏「…炎柱は、俺だが!!!!」
そう言った途端、2人も吹き出すように笑い出した。
え…?
炎柱様が杏寿郎…⁉︎
炎柱の煉獄さん…
煉獄…
煉獄杏寿郎!!!!
そこで合致した泰葉は恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆った。
そうだ、さっき槇寿郎との会話で炎柱を代々やっていて、杏寿郎が柱までなったって言ってたじゃないか!!!!!
「す、すみません…てっきり…柱の方とはもう少し歳が上の方だと思ってたもので…」
そういうと、
杏「むぅ、俺も柱としてまだまだということだろう!!
しかし、年齢はそれほど上ではないぞ。
下は14歳から上は27歳だからな!俺のような20歳前後は割と多い!」
泰葉はそれを聞いて驚いた。
蝶屋敷で聞いた話だと、柱というのは鬼殺隊、数百人の中で最も位の高いものだと。
そして、剣士の中で9名のみが与えられた役職だと。
そんなすごい人が、目の前にいる…?
「青年とか言って、すみませんでした…」
槇「まぁ、そんなに萎縮するな。
柱と言っても、家に帰ればただの男だ。
君は何も気にすることはない。態度も今まで通り接してやってくれ。」
「…はい。
でも、私…炎柱様に会うって聞いて、すごく緊張していたんです。
すごく。
でも、実際は杏寿郎さんで、軽々しく関わっていたとなって…
今は、気持ちがぐちゃぐちゃです…」
そう言って顔を赤くし、俯く泰葉に、みんなは眉を下げた。
杏「すまない、俺がもっと早く炎柱だと名乗っていれば良かったな…」
泰葉は顔を上げて、首を振った。
「いえ、でも安心しました。もしも怖い人ならばとも思っていたので。
優しい人で良かったです。」
ニコッと笑う。
その笑顔に、杏寿郎は固まった。