第55章 愛の形　　❇︎

杏「気遣ったのは当然のことだが、もう少し味わいたかった…。
しかし、察しの通り…感じる泰葉の顔を見ていたら堪らなくなってしまった。」

はっ、と困ったように笑う杏寿郎。

「これからずっと一緒だから…、これからもずっと味わってほしい。」

そう杏寿郎の首筋にちゅっと口付けて囁くと、杏寿郎のモノが泰葉の肌の上でピクンと動いた。

「…？今のは…？」

杏「すまん、あまりに可愛い事を言うもんだから…。
俺には変わりないが、こちらが返事をしてしまったようだ。」

「ふふ、何それ。」



軽く笑い合うと、口付けを交わす。
その間に杏寿郎がもぞもぞと身体の位置を調整して、泰葉のナカに入る準備をする。


杏「まだあまりナカは解してやっていないから、痛かったらすぐに言ってくれ。」

「うん、分かった。」

杏寿郎の先端が泰葉の秘部にピッタリと充てがわれると、これからの事に心臓が大きく脈打つ。


杏「挿れるぞ…」

先程中指が入った蜜口にググッと圧がかかる。
それは指とは比べ物にならない程の圧。

「は、はぁ…んんっ、あっ…」

杏「泰葉、大きく息をして。大丈夫、ゆっくりするから…」

「ん、う…ん、ふぅ…」

言われた通り泰葉が大きく深呼吸する。
それに合わせて杏寿郎は腰を進めていった。

「…はぁっ」
杏「く…ふぅ…泰葉、入った。」


泰葉の下腹部には隙間などないように杏寿郎の圧を感じる。


「うん…」

そう答えるのが精一杯。
また呼吸を深く繰り返して、落ち着かせる。


杏「泰葉、そろそろいいか？」

「うん、最初はゆっくりしてね…？」

杏「…君は…本当に罪だな…。」

無意識に杏寿郎を煽るのだから。
元よりそうしてやりたいのに、そんな風に頼まれたら理性を飛ばしてしまいそうだ。


ふぅ、と一息ついてから、杏寿郎は腰を前後させる。
泰葉の望み通り、ゆっくりと。


「あっ…はぁっ…あ…」

杏「あぁ…泰葉のナカは温かいな…熱いくらいだ。」


ゆっくり、ゆっくり動いていると、次第に泰葉のナカが動き始める。
これは無意識だと思うが、泰葉自信が杏寿郎を求めているという合図。


だって…