第55章 愛の形 ❇︎
「そ…な、急…にっ、あっ…」
泰葉が身を捩らせ悶えていると、杏寿郎は左腕で泰葉の腰元をグッと固定する。
これでどれだけ刺激から逃れようとしても、逃げられない。
胸の蕾は杏寿郎の舌により、秘部は右手により刺激を与えられる。
もうこうなってしまっては、自然と刺激に集中して、意識を飛ばさないように快感に悶えるしかない。
「んぁっ!や、んんっ」
くちゅ…くちゅ…と泰葉の下の方から水音が響く。
杏寿郎の舌は、蕾をクルクルと回したり上下に動かしたりと忙しない。
「あぁ…あっ…」
秘部の陰核をクリッとされれば、ピクンと体が跳ねる。
杏寿郎は次はここだと狙いを定め、執拗に陰核を優しく擦る。
泰葉の顎は上がり、視界には近々と星屑が散り始める。
杏「随分といい声だな。」
「あっ、はっ…も…だめ…っ」
杏「あぁ、好きな時に達するといい。」
杏寿郎はそのまま刺激を続け、舐めていた蕾を唇で軽くキュッと噛んだ。
「んんっ、あっ、あぁっ——」
その時星屑が広がり、泰葉は絶頂を迎えた。
「はぁっ、はぁっ…」
杏「では…次はナカ…だな。」
杏寿郎が指を秘部に埋める。
くぷん…と入ってくる中指。
それはあっという間に飲み込まれ、中ではキュッキュと動いている。
杏(これはいつも以上…か?)
まだ呼吸を整えている泰葉の様子を見ながら、中を探っていく。
「あっ、あっ…」
可愛い嬌声を上げる泰葉の姿に、杏寿郎は正直辛かった。
でも、泰葉に痛みがあっては…と必死に我慢する。
すると、泰葉がうっすらと目を開けて、杏寿郎の手を止めた。
杏「…?痛いところがあったか?」
「痛くないよ、気持ちいい。」
では、何故止められたのか…?
「杏寿郎さん、辛そう。
私、大丈夫だから…きて?」
心が読まれたのか、それほどの顔をしていたのか…。
泰葉は達した時に出たのか瞳を涙で潤ませている。
杏「…悟られてしまうとはな…不甲斐ない。」
「全然そんな事ないよ。私を気遣ってくれたんだよね。」
泰葉は両手を広げ、杏寿郎を抱きしめる形をとる。
泰葉の首に顔を埋めると、果実のような香りが杏寿郎の鼻腔を満たす。