第55章 愛の形 ❇︎
「…?待つって…何を?」
頬を蒸気させながらキョトンと首を傾げる泰葉。
杏「積極的なのは充分に嬉しいが…、もう少し時間をかけたい。」
そう言いながら泰葉の腰を掴んで降ろす動作に、自分が何をしていたのかを悟る。
「ひぇっ⁉︎わ、私ったら…は、はしたない事をっ⁉︎」
自分から腰を上げて、杏寿郎を誘導していたなんて…と両手で顔を隠しながら、羞恥に震えていた。
杏寿郎はその様子に、ふっと笑みをこぼしながら泰葉の両手を退かせる。
杏「はしたなくなんてない。これは片方だけが求めててはいけない。
そうだろう?
だから、泰葉からも求めてくれたという事は、大変嬉しいことだ。」
涙目になる泰葉の額にちゅっと口付けを落とし、続きを…と下に移動する。
そして、泰葉の柔らかな2つの山を堪能する。
「あっ…」
杏「泰葉の胸は、いつでも本当に柔い…。まだこの柔さの例えにぴったりなものに出会ったことがないな。」
柔らかな曲線を描く山に吸い付いては放し…を繰り返していくと、どうしても噛みつきたくなる衝動を覚える。
杏寿郎は堪らず、あぐっと軽く噛みついた。
「あんっ…」
急な弱い痛みを伴った刺激に、一際声が上がる。
杏「すまない、痛かったか?」
「ううん、大丈夫。噛まれると思ってなかったから…」
杏「泰葉の胸はどうも柔くて噛みつきたくなってしまった…。痛くはしないから、いいか?」
「う、うん。」
噛みつく許可をするという不思議な状況。
許可も出て、杏寿郎は嬉しそうに遠慮なくあぐあぐと甘噛みをする。
それはくすぐったくもあり、変な感じだ。
「ん…あ…」
それでも甘い声が出てしまうのは、愛しい杏寿郎からくるものだから。
強い刺激ではないけれど、泰葉は吐息混じりに甘い声を漏らした。
この緩い刺激が心地良くなってきたころ、急にピリッと強い刺激が泰葉を襲う。
「ひゃんっ…あぁっ!」
杏寿郎が胸の蕾と秘部への刺激をいっぺんに始めたからだ。
杏「つい夢中になってしまった。あの程度の刺激では、また眠くなってしまうだろう?」
眠られては困ると、眠気覚ましの刺激を寄越したようだ。