第54章 お手伝い
『いただきます!』
パンッと手を合わせ、皆丼いっぱいに盛られたカツ丼を頬張る。
蜜「んー!!!おいしいっ!」
杏「うまい!ん、うまい!!」
実「ったく、毎度のことながら騒がしいぜェ。」
賑やかに始まった昼食。
面白いほどに、たくさん作ったカツ丼の材料たちはものすごい速さで平らげられていった。
「わぁ…本当にすごい。」
蜜璃と杏寿郎がいたとしても、全員が想像以上の量を食べていた。
しのぶでさえも、彼女の顔以上のどんぶりを2杯食べている。
杏寿郎はどんぶり7杯を食べたところで、天元達と酒を飲み始めた。
杏「して、皆はこれからどう過ごすんだ?」
それは泰葉も気になっていた。
鬼殺隊がなくなったこれからを、どう過ごしていくのだろう。
13、14の頃から刀を握ってきたのだろうから…。
蜜「わ、私と伊黒さんはね、一緒に甘味処でも開こうかと思って!」
「わぁ!素敵!夫婦で甘味処!」
泰葉が大喜びで聞いていると、皆が「え…」という顔をする。
小「貴様ら…俺に甘味処が似合わないと思っているのだろう。」
ふんっと鼻で笑いながら小芭内も酒を飲む。
そしてカンッと猪口を置いた。
小「安心しろ!献立、作り方は全て甘露寺が完璧に熟知している!
俺は指示通りに作り、甘露寺に変な男が言い寄ってこないか見張るだけだ!!」
小芭内が見た事ないくらい勢いよく、熱弁している。
周りはその話を聞きながら、小芭内の仕事は主に後者だろうな…と思った。
し「私は…今までとあまり変わらないかもしれませんね。
隊士から一般人に変わる…くらいでしょうか。」
蝶屋敷はこれからは病院として機能させていくらしい。
あんなに可愛い子揃いの病院は心配だ…。
「悪い男が来ないと良いのだけど…」
泰葉が心配そうに言うと、しのぶはにっこり笑い
し「その時は気付かれないように毒を打ち込んでやるわ。
うちの女の子達に手を出すような男がいたら、容赦しませんから。」
その笑みに、全員の背筋が凍りつく。
し「それに、皆さん含め隊士達が検診や治療で通いますから。
心配には及びませんよ。」
「そっか、それならよかった。」
泰葉はそれを聞いて安心した。
それに、カナヲは当たり前に強いし、アオイも護身術は身に付いている。