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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第54章 お手伝い



杏「…すまない。やはり俺はやめておこう…」

しゅんと肩を落とす杏寿郎。
杏寿郎は料理ができないのではない、力加減が上手くいかないのだ。


「杏寿郎さん、優しく持ってみて。」


また一つ渡すと


ペシャッ


…うーん…。


泰葉は何がいけないのか、と考える。


(別に特別力を入れているわけじゃないのよね。)



泰葉は自分の拳を杏寿郎に向ける。


「杏寿郎さん、私の拳を玉ねぎだと思って、開かせてみて?」

杏寿郎は言われた通り泰葉の手を握り指一本一本開かせた。
その力は痛くも何ともない、優しいものだった。


杏「これで…いいか?」

「うん、じゃぁ今度は玉ねぎを私の手だと思って皮を剥いて?」


杏寿郎は指示通り、今度は玉ねぎを手に取る。


杏(これは泰葉さんの手…泰葉さんの手…)



ベリッ…



今度は玉ねぎを潰さずに剥くことができた。


杏「で、できたぞ!剥けた!!」

「すごい!できた!」


2人で喜び合っていると、槇寿郎と千寿郎が戻ってきた。


槇「…お前たち、一体何をしているんだ?」

玉ねぎの皮を剥いてキャッキャっとはしゃいでいる2人に、若干引いていた。


杏「玉ねぎを潰さずに剥けました!!」

槇「お前…「す、すごいです!兄上!!」


槇寿郎の言葉を遮り、千寿郎が目を輝かせている。
今まで料理のりの字も上手くいかなかった杏寿郎にとっては、玉ねぎの皮むきができただけでも大きな進歩だ。





槇(瑠火…杏寿郎がここまでだとは知らなかった…。許してくれ。)





この様子を見て、槇寿郎は空の遠くを見つめるのであった。







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