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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第53章 予想外



千「2本目、はじめっ!!」

千寿郎の号令が響く。
2本目はどちらとも慎重な出だしだった。

じりじりと相手の動きを伺う両者。
互いに瞬きも許されない状況である。


杏寿郎は槇寿郎の攻撃は仕掛けられたものに対し、巻き返してそこから畳み掛けてくると分かった。
なので、槇寿郎からの攻撃を待ちたい。

対して、槇寿郎も杏寿郎からの攻撃を待っている。
しかし、これでは埒が開かず時間だけが過ぎてしまう。


槇「杏寿郎、どうした。様子を伺ってばかりでは始まらんぞ。」

杏「父上こそ。俺から攻めてばかりではと思って、譲っているのですが。」

微かに口角を上げながら挑発し合う。
槇寿郎は杏寿郎の目論見は分かっていた。





ここは、父が乗ってやるか…。

槇寿郎は一つ息を吐いて、攻撃の構えを取る。


槇「炎の呼吸 壱ノ型 不知火!」


強く踏み込まれた真っ直ぐな太刀筋。
力み過ぎず、美しい攻撃が走る。


杏「弐ノ型 昇り炎天!!」


杏寿郎はその攻撃を下から巻き上げるように立ち向かう。
昇る炎は力強く、周りにいる者が一瞬怯んでしまう程だった。

そこからはまた激しい打ち合いが始まった。
やはり、杏寿郎の読み通り槇寿郎が少し押され気味である。
だが、槇寿郎は全く諦めてなどいない。


槇「肆ノ型 盛炎のうねり!!」

杏「参ノ型 気炎万象!!」


2人の炎の渦が辺りを覆う。
思わず飛び退く見物人たち。千寿郎も避難した。


周りの草木は切り倒され、開けた地がさらに広がっていた。


実「おい、これは親子でやる戦いじゃねぇだろォ。」

天「あぁ。ここまでマジでやるとは思ってなかったぜ…。」

実弥と天元がそんなことを言っていると、小芭内が口を開く。


小「しかし、疑問なんだが…なぜ、泰葉を嫁に貰う貰わないで、この親子が戦っているんだ?」


そういえば…

義「…泰葉の親と戦うのは分かるが…煉獄家は戦う必要はないのでは。」


泰葉と千寿郎も「確かに…」と頷いた。


戦いも間もなく10分が経とうとしている。




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